
至福の時
最近の私達の食事は1日一食半に落ち着いている。
ちゃんとした食事は1日一回家にいる時は夕食がそれになる
夜は出来るだけお家で食べたい派なので夕食は楽しみの一つ
家事の中で唯一私が担当しているのが食事を作る事
生来、食い意地のはっている私は決して料理上手ではないけれど
美味しいものを作るのは天才的と自負している
季節の野菜と豆類、少々のお肉
と魚 その時に冷蔵庫に入っている
ほぼ毎日変わらない材料で365日日替わりメニューを作っている
私は特別に美食家ではないがその時に食べたいと思うものしか食べたくない
ということだけは拘りで何でも良いと思った事はない
そんな私達2人の食事をこれまで何回一緒にした事だろう
私にとって一回一回のささやかな食事の時間そのものが何よりのご馳走で大切な時間
毎回「嬉しいね」「美味しいね
」といつものような食事の最中に 突然
初めての感覚が降りてきた それが『至福』
今まで色々な体験をしたり素晴らしい景色を見たり『感動』をした事は何度もあるけれど
『至福』という言葉に身体が包まれるなんてのは人生初体験
私は自分が心から欲しいものは手に入っているんだと確信出来た瞬間だった
私が幸せと感じるのにこれ以上のものは何もいらないと
でも翌日には「嬉しいね」「美味しいね
」といつも通りの食事タイム
でもあれは私の思い込みでも、錯覚でもない確かな感覚が私の中にしっかりと 残っている